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高気密の住宅とは?
ハウスメーカーやSNSなどで「高気密・高断熱の家」とアピールしているのを見たことがありませんか?
「断熱」はなんとなくイメージがつくかもしれませんが、「気密」が住宅の性能にどう影響するのかなかなか想像がつかないかもしれません。「高気密の家」とは、一体どんな家を想像しますか?
今回は、そんな「高気密・高断熱の家」でアピールされている「気密」について、できるだけわかりやすく解説し、どこに注目すれば高性能な住宅が建てられるのかを、ご説明していきます。
INDEX
そもそも気密とは…?
「気密」とは一般的に「空気が出入りできない状態」のことを指します。
「空気が出入りできない家?」と言われてもピンとこないかもしれません。
では、とても寒く外が吹雪の状態で、建て付けの悪い古い住宅の中にいる状態を思い浮かべてください。すきま風ですごく寒そうですよね。
家は部材に分けると、屋根・壁・窓・床で構成されています。この構成されている部材の継ぎ目には、どんな家でも隙間ができてしまいます。先程イメージした古い家は、窓や建具はもちろん、壁や床などにも隙間ができてそこからすきま風が入ってきていたんでしょう。
古い家の場合は仕方がないような気もしますが、これから新しく建てる新築住宅にも隙間を気にする必要はあるのでしょうか。
まずは、一般的な住まいの「隙間」についてお教えします。
築30年の家には、A3用紙サイズもの隙間があるとは驚きです。
逆に、北海道の住宅では、隙間が少ないことが分かります。
この家の隙間は非常に厄介で、冬は外の冷たい空気が家の中に入り込み暖房の暖かい空気は外に逃げてしまいます。夏は、外の暑い空気が家の中に入り込み、冷房の冷たい空気は外に逃げてしまいます。これではいくらエアコンを付けても意味がありません。
ではこの空気の出入りを少なくするためにどうすればいいでしょう。
その通り、すきま風の通り道(=家の隙間)をできるだけ減らせばいいのです。
つまり、気密性が高い家とは、隙間をできるだけなくし空気の出入りをできるだけ減らした家のことです。外の気温の影響を受けにくく、エアコンの効きが良くなる家。つまり気密性を高めると光熱費ダウンにも効果的ということが分かります。だから最近「高気密の家」が注目されているんですね。
なぜ隙間を埋めたほうがいいの?
いくら高性能な断熱材を使っても隙間だらけの家ではまったく意味がありません。
冷蔵庫の扉を見てください。ゴムパッキンなど隙間なくピッタリと密閉できるような形になっていますよね。もし扉に隙間があったら、冷蔵庫や冷凍庫の冷気が外に逃げてしまい、冷やせども冷やせどもなかなか冷えないでしょう。電気代もすごく掛かりそうです。
タッパーや保温性の高い水筒なども、隙間がなくピッタリ閉まりますよね。
ピッタリ閉まる=気密性を上げることで熱が逃げにくくなります。
住宅で気密性を高めるということは、室内の空気が外に逃げにくくなります。
また屋外の空気は室内に入って来にくくなります。
暖房であたたかくなったお部屋の空気が外に出にくく、外の冷気が室内に入りにくい。
冷房で涼しくなったお部屋の空気が外に出にくく、外の熱気が室内に入りにくい。
これは、とても冷暖房効率が良い家と言えます。
単純にすきま風を防止するため、ではなく、気密性を高めることで「エアコンがよく効く家」になるのです。もちろん、ほこりや花粉の侵入を防ぐこともでき、「気密」は、快適で健康的な室内環境には欠かせない要素となっています。
もう少し身近なもので「気密性」を説明すると、真冬に着る防寒着が分かりやすいかもしれません。ダウンジャケットのように綿が入ったアウターも、袖口や裾が大きくブカブカだったら冷たい風が入ってきてしまいますよね。防寒性の高さをウリにしているアウターの場合、袖口などにゴムが入っていたりなどで身体に密着しピッタリすき間が出ないような構造をしているものがあります。また生地自体も風が通り抜けにくい素材ですよね。
このように、すき間を埋め、空気が通り抜けていかないようにすることが「気密」の大きな役割です。
気密性能を示す単位C値とは?
そんな家の隙間(=気密性)ですが、はがきサイズの穴が空いているわけではないので、当然目に見えるものではありません。ではどうやって家の気密性を知れば良いのでしょうか。
気密性を示す単位として「C値」というものがあります。これは相当すき間面積といい、家にどのくらい隙間があるのかを数値で示したものです。1平方メートルあたりに存在するすき間の面積を示す数値といわれています。 つまりC値が小さいほど、すき間が少ない高気密な家ということになります。高性能住宅をアピールしている住宅には必ずと言っていいほど、C値の記載があると思うので確認してみてください。
目安として、先程のはがきサイズの隙間がある住まいのC値がおよそ1.5です。
C値は小さければ小さいほど良い仕様(=高気密)と言えます。
C値は、延床面積あたりの隙間量(㎠/㎡)を表し、下記計算式で求めることができます。
C値(㎠/㎡)=家全体の隙間の合計(㎠)÷建物の延床面積(㎡)
先程の例でいうと、延床面積100㎡の住宅で、すき間がはがきサイズ(=148㎠)の場合
148㎠÷100㎡=1.48=C値となります。
どのくらいのC値を目指すべき?
C値が小さければ小さいほど良い、ということはご理解いただけたかと思います。
では、一体どのくらいのC値なら「高気密」と言えるのでしょうか。
1999年時点では、次世代省エネルギー基準として地域ごとにC値の基準が定められていました。例えば、北海道と東北の一部地域であればC値2.0以下、大阪を含むその他地域ではC値5.0以下とされていました。ただしこの基準は高気密とはとても言えないレベルの大変ゆるい基準で、測定の義務もなく非常にあいまいなものでした。そして、2009年の改正省エネ法により気密性(C値)についての項目が削除されたため、現在はクリアしなくてはならない基準値が存在しないのです。
基準となる値がないと、どの程度のC値にすれば良いのか分かりにくいですよね。とは言え1999年=20年以上も前の基準を目指すのも良いとは思えません。
そこで、どの程度の値であれば「高気密住宅」と呼べるのか、目安をお教えします。
特別「気密」性能にこだわっていない住宅のC値はおおよそ10前後と言われています。これがどれくらいの隙間なのか見ていきましょう。
例えば延床面積が100㎡の住宅の場合、C値が10㎠/㎡ということは、1000㎠のすき間があるということになります。つまり約32cm角の穴が空いているということ。A4サイズの用紙で21cm×29.7cm=623.7㎠ですから、C値10は、かなりのすき間があるということになります。これではエアコンの効きも悪そうです。
性能を重視する住宅であっても気密に意識がない事業者のC値は3〜4㎠/㎡になっていることが多いです。
気密性を重視した家づくりを行っているメーカーだと、C値は1.0㎠/㎡以下であることが1つの基準と言われています。確かにC値を記載している場合、だいたいが1以下であることが多いですよね。
先ほどのはがきサイズのすき間でC値は1.5。C値1.0だとすき間は家全体で10cm角となり、名刺やクレジットカード2つ分以下の大きさになります。
とはいえ、このC値1以下なら良いのか、理想的な気密性と言えるのか、気になるところかと思います。わたしたち大和建物ではC値0.29を誇る住宅の建築実績があり、お客様のご要望やご予算に合わせた気密性の提案を行っております。
気密性が悪いと……隙間から熱もお金も逃げていきます。
冷蔵庫の扉を開けていたら冷気が逃げて行くように、ダウンジャケットの袖口に隙間があれば寒い風が入ってくるように、気密性が悪いと家のドアを開けているのと同じこと。
空調の効きが悪いということは、電気代が無駄にかかってしまうということです。
つまり、気密性が悪いと隙間から熱もお金も逃げていきます。
下記はC値の違いによる年間光熱費の試算です。
いかに気密性が重要か、おわかりいただけたでしょうか?
大和建物の高気密住宅ではC値0.29の施工実績があります。2023年に完成した木造の新築一戸建て住宅でもちろん気密測定実施済みです。
注文住宅の気密性(C値)について
あなたが今検討しているハウスメーカーのC値はいくらなのでしょう?もしどこにも言及がない場合、C値は5〜10程度かもしれません。どこにも言及がないので10以上、という可能性もゼロではありません。
C値は、住宅のすき間の面積を専用の機械で計測することで分かります。つまり、実際に建物が建った後でなければC値は確定しないのです。でも、注文住宅なら家は建てる前に仕様を決めますよね。まだ建っていない場合はどうしたらいいのでしょう?
大手ハウスメーカーの場合、実験棟やモデルハウスで実測した数字を元にした数値であることが多く、その仕様を基準として設計しているというケースがあります。これまでに計測した気密数値のデータを見せて貰うことができればおおよそはの予測が付きます。
また、高気密高断熱住宅を売りにしながら気密測定をした事がないハウスメーカーや工務店も存在しますのでご注意ください。
気密性は、施工品質に左右されます。そこで吹き付け断熱による家全体を包み込む施工を行い、高気密を実現。また、隙間から漏れる空気の量が少ない樹脂サッシや、精度の高い建材、防湿シート、気密テープなどを使用。さらに、施工基準を定め、確かな腕を持つ職人のみで施工しています。
快適な家には、気密・断熱・換気にこだわるべし!
快適な家には気密性が重要だということはご理解いただけたかと思います。しかし、気密だけを重要視してはいけません。快適な住宅には「気密・断熱・換気のバランス」が大切です。
まずは、断熱です。断熱性が悪いと、室内外の温度差によって結露が発生します。結露はカビや建物の劣化の原因となってしまうため、できるだけ温度差がでない断熱性能が重要になります。また、気密性が悪いと熱が逃げて断熱性が低下するなど、バランスが重要です。
そして換気も同じく重要です。気密性が高い家は空気の流れが少ないため空気を循環して適切に入れ替える必要があります。掃除機のホースに穴が空いているとうまく吸えないように、気密性が悪いと換気効率も悪くなり、熱がこもってしまいます。また冬の冷たい空気、夏の熱い空気をそのまま室内に取り込んで換気するのでは意味がないので、熱交換換気も重要なポイントです。
ハウスメーカーやSNSなどでよく見かける「高気密・高断熱の家」というのは、気密・断熱・換気がバランスよく揃って初めて実現できるのです。
性能にこだわった住まいには、このように専門的な用語や数値への理解が必要不可欠。一般的にはどういうものなのかを知っておくだけでも、ハウスメーカーや設計担当者と具体的な話ができます。住宅相談会やモデルハウスの見学の際に、性能について聞いてみるのも良いですね。
高気密・高断熱で家族の健康を守る
大和建物の注文住宅について
ZEHや長期優良住宅、性能評価などの基準から考え高い性能を有する住まいは、冬も夏も一年を通して快適に過ごすことができ、光熱費を抑えられるなど、様々なメリットがあります。そんな高性能住宅を建てたいなら、大和建物にお任せください。
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