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木造住宅の構造計算の必要性について
家を建てるときに大切なのは、地震や台風から家族を守ることができる強い家であること。
では、その強い家とはどんな家なのでしょうか?
新築だからといって家の強さは決して充分ではありません。
熊本震災では2000年以降改定の新耐震基準に基づいて建てられた家でも倒壊しています。
それらの家では構造計算が行われていませんでした。
構造計算とは、地震や耐風などに対して家が変形したり倒壊しないかを科学的に検証し、建物の強さを計算して明確化することです。
では、なぜ構造計算が行われていない住宅があるのでしょうか?
そこには、木造住宅ならではの理由があるのです。木造住宅の構造計算の必要性と耐震性能について詳しく説明していきます。
INDEX
多くの新築木造住宅では、構造計算が行われていません。
建物の安全性を確認する計算のことを『構造計算』と言います。しかし、多くの新築木造住宅で構造計算=構造の安全性を科学的に検証する計算が行われていないことをご存知でしょうか?同じ耐震等級3の家でも、構造計算を行った家と、簡易計算のみの家では耐震強度が異なることをご存知でしょうか?
ビルやマンション、鉄骨造・RC造(鉄筋コンクリート造)の建物には法律で構造計算が義務付けられています。
しかし日本のほとんどの木造住宅ではこの構造計算が行われていません。
では、なぜ、今もなお多くの木造住宅では構造計算が行われないないのでしょうか?
なぜ木造住宅では構造計算が行われないのか?
多くの住宅で構造計算が行われていない理由。それは「義務化されていないこと」、「時間とお金がかかること」、「社内に構造計算できるスタッフがいないこと」の大きく3つです。一番の問題は、やはり義務化されていないこと。
日本の多くの木造住宅は四号建築物に該当し、特例により「建築確認申請の簡略化」が認められているため、構造計算は法律で義務化されていないのです。
四号建築物の構造耐力については本来、行政が定めた基準に適合していること、または構造計算を行うことが必須です。しかし一方では「確認申請の簡略化」が認められています。
確認申請の簡略化とは、資格を持った建築士が設計した家であれば、確認申請時に壁量計算書や構造に関する図面等の提出が省略できるという特例があるのです。
つまり、本来は構造計算を行うべきなのに、特例により簡素化されて行われていないだけなのです。でも、それは本当に強い家と言えるのでしょうか?
『構造計算』では、建物の重量と家財などの荷重、積雪や太陽光発電システムを設置した時の屋根にかかる重さを検証します。さらに、それらの重さがどのように部材に伝わり、地震や台風の力に建物が耐えられるかを検証します。ですので、法律で定められている簡易的な壁量計算とは全く異なります。
実際に仕様規定を満たした四号建築物を構造計算してみると、構造計算上の必要な壁量に対して2〜4割も壁量が不足している家が存在するとも言われています。法令の定める仕様規定は満たしているのに、構造計算すると不適合になってしまうのはおかしな話です。
しかも、構造計算をしなくても長期優良住宅も耐震等級3も取得できてしまうのです。
これでは大地震で倒壊してしまった家があるのも納得です。
構造設計一級建築士による「特定構造計算ルート2」を標準実施
木造住宅の場合、建物の構造上の安全を確認する手段は現在3つの方法があります。
建築基準法では、建物の壁の量を計算し、地震や耐風などによって建物が倒れないかを検証する簡易的な計算を行います。これを「壁量計算」と言います。四号建築物では、この壁量計算を行えば、構造計算を省略することができます。
さらに、構造計算には、2種類の段階があります。
建物や家財など全ての重さを想定し、建物にかかる重さが力としてどのように伝わり、さらに地震や台風に部材が耐えられるのかを検証する構造計算一次設計(ルート1)。
さらに、地震や台風で建物が傾かないようにバランスをとる構造計算二次設計(ルート2)。
建築基準法で定められた簡易的な壁量計算では、そもそもの家の強さに疑問が残ります。さらに、構造計算(許容応力度計算)をしても、繰り返し起きる地震や台風の備にはまだ足りません。「家族を守り通す」というプライドのために、『特定構造計算ルート2』が木造住宅にも必要であると考えています。
構造計算を行った建物と、構造計算を行わない建物(壁量計算のみ)の違いは歴然です。
耐震等級3は「建築基準法の1.5倍の強度があるもの」と定義されています。構造計算を実施した建物であればなんと2.4~2.7倍の強度が確保できますが、構造計算を行わない建物(壁量計算のみ)であれば1.9~2.0倍の強度です。同じ耐震等級3であっても、こんなにも違うのです。
建物の耐震性は、単純に耐震等級だけを確認するのではなく、構造計算を行っているかどうかが重要なポイントになります。家族の命や、財産を守るためにも、きちんと構造計算を実施している建物を選択したいものです。
そもそも構造計算とはどんなことをするのでしょうか?
構造計算は建物の「全ての重さ」を想定し、調べることから始めます。
1.建物の重さを調べる(建物自体の重量)
2.床に乗る物(家財道具)の重さを想定する(積載荷重)
3.雪が積もったときに屋根にかかる重さ(積雪荷重)や 太陽光発電システムなどの(特殊荷重)を考慮する
4.全部(建物自重+積載・特殊荷重)の重さを合計する
次に、建物にかかる重さが力としてどのように伝わり、さらに地震や台風に耐えられるかを調べます。
5.建物にどのように重さ(荷重)が伝わるかを調べる
6.伝わった重さ(荷重)に、部材が耐えられるかを調べる
7.地震や台風が来た時にかかる力を、建物の重さから換算する。
8.地震や台風の時に建物にかかる力に、部材が耐えられるかを調べる。
構造計算は建物の「全ての重さ」を想定し、調べることから始めます。
1.建物の重さを調べる(建物自体の重量)
2.床に乗る物(家財道具)の重さを想定する(積載荷重)
3.雪が積もったときに屋根にかかる重さ(積雪荷重)や 太陽光発電システムなどの(特殊荷重)を考慮する
4.全部(建物自重+積載・特殊荷重)の重さを合計する
荷重による応力に部材が耐えられるか計算するルート1
短期荷重による建物へかかる力を外力(荷重)と言い、その外力から建物の部材内部に伝わり発生する力を内力(応力)と言います。
しかし同じ応力のかかり方でも太い部材では壊れないが細い部材では壊れてしまいます。
それは部材の大きさにより応力の密度が異なるからです。この応力の密度を応力度と言います。
柱や梁、土台など全ての部材には、法律によりそれぞれ壊れない部材強度の限界点(許容応力度)が定められており、その法律上の許容応力度以下になるように部材強化の計算を行うのが、許容応力度計算です。
なぜ「特定構造計算ルート2」が必要なのか
さらに、地震や台風で建物が傾かないようにバランスをとる構造計算ルート2。
建築基準法で定められた簡易的な計算では、そもそもの家の強さに疑問が残ります。さらに、構造計算(許容応力度計算)をしても、繰り返し起きる地震や台風の備にはまだ足りません。「家族を守り通す」というプライドのために、『特定構造計算ルート2』が木造住宅にも必要であると考えています。
地震・耐風で建物が傾かないようにバランスをとるルート2
地震や台風などの建物にかかる力に対して建物がどのくらい傾くかを計算します。
建物の変形で高さを割った、層の力での変形角度が層間変形角です。
15mm程度の傾きであれば揺れが収まると、またもとに戻る範囲内であると設定されています。ゴルフクラブがしなってももとに戻る仕組みと同じです。
地震や台風などの建物にかかる横向きの力に対して上下方向の硬さのバランスを剛性率と言います。
階ごとに硬さが違えば、揺れも異なります。階ごとの硬さはなるべく均等であるべき。剛性率とは「階ごとの硬さ」を表した値。建築基準法では0.6以上求められています。
2階建て住宅の場合なら、1階が1であれば、2階は0.6以上ならOKになります。
建物の平面方向での重さと硬さが偏っていないかを確認し、バランスよく重さを支えられるかを調べるのが偏心率です。
建築基準法では、木造住宅に置いては偏心率は0.3以下と規定されていますが、大和建物ではさらにズレの少ない半分の0.15以下に規定しています。
ここまで検証されている建物ならば、震度7程度の地震でも大破・倒壊させない設計の家と言えます。
一次設計(ルート1)
稀に発生する震度5程度の地震で建物を損傷させない設計で、その後も建物が使用できることを目的としています。
二次設計(ルート2)
二次設計は、極めて稀な震度7程度の地震が起きたとき、建物は損傷しますが「大破・倒壊」させない設計であり、人命が守られることを目的としています。
「真の強さ」を誇る高耐震の住宅をつくるために
大和建物では、大地震や台風は繰り返し起きる。だからこそ「真の強さ」が必要と考え、命を守る構造体SSS(SUPER STRONG STRUCTURE)を採用しています。
家を建てるときに大切なのは、地震や台風から家族を守ることができる強い家であること。
では、その強い家とはどんな家なのでしょうか?
大和建物が考える高耐震の住まいについてはこちらをご確認ください。
「制震構造」とは壁の中などに組み込んだ装置によって「建物の揺れを吸収する」構造のことで、大和建物の高性能住宅では、耐震性・復元力・制震性を高める耐震装置『X-WALL』を搭載しています。
X-WALLについて、さらに詳しくまとめているのでぜひご覧ください。
1995年の阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)、2011年の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)などここ30年の間に震度7以上の大地震に多く発生しました。中小の地震についてはかなりの頻度で発生していることがわかります。そんな地震大国である日本で安心して暮らすには「地震に強い家であること」が重要です。
家族の命や、財産を守るためにも「地震に強い家であること」にはこだわって住まいづくりをしましょう。
大和建物の注文住宅について
ZEHや長期優良住宅、性能評価などの基準から考え高い性能を有する住まいは、冬も夏も一年を通して快適に過ごすことができ、光熱費を抑えられるなど、様々なメリットがあります。そんな高性能住宅を建てたいなら、大和建物にお任せください。
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